前の報告へ | 報告トップへ | 次の報告へ

カシコート竣工式、ミラーン着工式を終える
~ミラーン護岸工事へ向けて全力~

去る10月14日、カシコートの竣工式とミラーン着工式を同時に行い、焦点はミラーン(ベスード第二堰)に移りました。式には州知事代表、農業局、灌漑局、財務局ら、ナンガラハル州政府の主要閣僚が顔を並べ、和やかな集まりとなりました。

これにて、晴れて公式に着工を宣言しました。同時並行で進めていた再測量、交通路の敷設、石材輸送らの見通しをつけ、現場は来週からが大きな動きとなります。

ミラーンの最大の仕事が護岸と河道整備になります。用水路予定地の半分が河の中に消えている状態で、工事を進めるのは初めてです。今回は、これまで培ってきた「護岸」の技術が試されると思います。

といっても殆どが捨石工なので、空前の規模の石材が要ります。「石材輸送が成否を決める」と見て、準備を進めてきました。ところが、ブディアライ村(ダラエヌール)の巨礫採取が困難となり、少し慌てました。

良くしたもので、ガンベリ沙漠のケシュマンド方面で、何十年か大丈夫というほどの場所が見つかりました。距離は現場から約17㎞(ブディアライ約19㎞)、一同巨礫の山を見て大安心でした。(石を見て喜ぶのが習性になっています。)

一筋縄ではいきませんが、何とか必要なことはやります。

みなさんもお元気で。

平成26年10月17日 記

カシコートの竣工式。生憎というべきか、何カ月ぶりかの雨だったが、ナンガラハル州政府の要人ほとんどが列席した。カシコートは政治家も恐れて近づかない所で、このような催し物が異例だった。ジア先生と地域自治会の協力で、つつがなく竣工を祝った。2012年2月の準備工事から2年8ヶ月。行政側の皆が、自分の目でカシコートの変化を確認、大いに意気が上がった。
2014年10月14日

百聞は一見に如かず。連続堰の威容を見て、みな納得。アフガンのチャルハ(巻き取り式の堰板引上げ器)を自分で操作してもらい、また納得。

連続してミラーンの着工式を終え、晴れて公的な手続きを完了した。

着工式は終わったが、まだ再測量が完了しておらず、精確な地図も作成できない状態。視認できる手頃な高台がないのだ。急きょ5mのやぐらを組み、測量を確認。やぐらの位置は、ミラーン護岸始点から800m地点。
2014年10月16日

確認できる地形と第一期の予定河川工事。河道①④が最大で、⑤は夏期のみの高水位河道。取水部はこのような複列砂州にあることが多く、調査が欠かせない。

やぐらから見える新河道①と村落の侵食。水位が下がり始め、ようやく侵食が停止している。
2014年10月16日

河道は常に変わる。河道の調査は、大きな動きに逆らわず、いかに適切な位置で護岸・堰・取水門の場所を確保するかだ。
2014年10月16日

やぐらから上流側。河道④の拡張作業が見える。
2014年10月16日

河道④の工事風景。
2014年10月16日

交通路敷設と護岸作業。連続堤防600m区間は表法下部の侵食が激しい。石出し水制を50メートル間隔で設置、水制間の砂利堆積を促して、根固め工を兼ねる。カシコートの護岸で使われた方法。
2014年10月16日

左岸砂州群の岸辺を成す砂利。径30~40㎝前後のたくあん石。このような河床材料でめぐらされる砂州は、ほとんど固定して大洪水でも動かぬことが多い。
2014年10月16日

前の報告へ | 報告トップへ | 次の報告へ