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以下、ミラーンの最新の様子です。機械力にゆとりが出れば、巨礫輸送に力を入れ、必ず石を貯めておきます。河周りの工事は殆どが捨石工で、それも膨大な量が要ります。最も予算を食うのがこの石材輸送なのです。そこで、緊急時に備え、出来るだけ貯めておくことです。重いので盗まれることはありません。カネを銀行に預けるより安全な備蓄です。
2015年2月26日

ミラーン護岸始点付近。軟弱な土質を砂利と巨礫で掩蔽しているので、水が上がってくると部分的に軟化して法面が沈み、断層を生じる。
2015年2月26日

断層部の拡大。普通このような場所は、根気よく砂利と巨礫を足しながら詰めれば、安定していく。コンクリート・パネルでは、こうはいかない。捨石工の利点は、背面の洗掘が起きにくいことで、空隙を生ずれば石が沈下して埋める。
2015年2月26日

ミラーン堰の現在。突発的な水位上昇はあったが、30㎝の水位がピーク時に55㎝になっただけであった。
2015年2月26日

堰のかかる中州は、列を成して延々1㎞、全体が越流長1㎞の斜め堰と考えれば良いわけで、実現すれば最も安定した取水堰となる。現在、取水門で堰板の操作をするチャルハ(アフガン式の巻き取り機)を設置中。
2015年2月26日

取水門を閉めた沈砂池。砂礫の大半が急傾斜の溝を通って排水門に向かう。
2015年2月26日

ミラーン西の既存送水路。50年前にロシア(旧ソ連)が作った暗渠がそのまま使われている。基礎と造りは頑丈で、しっかりしている。砂利をかきだしてサイフォンに改造して使える。
2015年2月26日

東送水門との連結部。農道に橋を架ける。
2015年2月26日

排水路末端の交通路確保。頑丈なコンクリートブロックで護岸している。50年前のもので、一部に破損があるが、全体に強靭。
2015年2月26日

ブロック護岸の根固め工もしっかりしている。50年前のカマ橋建設の際、同時に行われたものらしい。アフガンの水利施設で見る限り、一般に時代が下がるほど、即席で「使い捨て的」に成り、耐久性が少ないように思われる。
2015年2月26日

根固め工の各ブロックは約60㎝四方、厚さ20㎝ほどで、鎖でつなげられている。先端で洗掘が起きれば順次沈んで、岸辺を護る仕組み。鉄の腐食が少ないのが印象的だ。これは籠の針金でも言える。アフガニスタンの水はどこもPHが高い硬水で、錆びにくいのだ。
2015年2月26日

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