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調節池の現在。一ヶ月前と変りばえがしないのは、取水量が同じだからだ。送水門は建設中。もう急がなくてよい。2015年4月20日

ミラーン東送水路。2015年4月20日

ミラーン西送水路。旧西用水路の溝はそのまま残し、夏の浸透水を集めて排出する。必要なら小サイフォンで排水路に落とすが、大した量でなければ西送水路に合流させる予定。現在、水位を観察中。2015年4月20日

蛇籠の話がこのところ多いので、少し説明しましょう。PMSの蛇籠は、少し日本のものと異なる。位置を決めてから固定、角石(割石)を籠の外側に積み重ねていく。形を整えるため要所に針金を通して固定する。(次図参照)2015年4月20日

 PMSでは四方に大きな石を壁のように積み重ねて整形し、中に屑石や砂利を詰めて仕上げる。籠の立方体を整えるため、籠の中線に複数個所ワイヤを通して固定する。こうすると、函体が安定して重量を増す上、背面の吸出し現象がほとんど起きない。また、三つ縒りは一ヶ所が破れても、全体がバラけない。
 日本では一重にかけた機械網の籠で、網目より大きな平均的な径の割石を詰める。しかし、これを行うと籠の膨れ出しが起きたり、水に浸かる部分から泥が解け出したりのことが多い。そこで、解け出しを防ぐため籠の背面に「吸い出し防止措置」を行い、膨れ出しを防ぐために鉄線の径を5㎜と太くしている。また網目より大きな均等サイズの石を詰めるが、割石の粒ぞろいは自然石で見つけるのが難しいので、人造石となり、コスト高になりやすい。 アフガニスタンではPMS方式でよいと思います。

ミラーン水路は上段の造成中だが、水は流し続け、砂が流れる流速を維持する。
2015年4月20日

アフガン農民は、ともかく美しく積むのを好む。蛇籠の場合、一般に美しいほど丈夫である。美的センスは日本人に負けない。2015年4月20日

ついでに柳枝工です。区画を作り、1㎡当たり10~12本を挿し木し、ひたすら水やりを繰り返す。初めは土嚢を重ねてその隙間にさしていたが、結局これが定着した。このやり方は、実はアフガン農村で見る畝の作りで、保水性に優れている。
2015年4月20日

作業中の人々。石積みも、植樹も、彼らにとっては至極日常的なことをしているに過ぎない。2015年4月20日

柳枝工は巨礫と組み合わせて、河表で護岸の補助にも使われる。石と石をつなぐ「接着剤」の効果も無視できない。暖かい季節であれば、2週間で芽を吹き、育ち始める。2015年4月20日

バケツでの水やりも定着した。初めの頃ウォーターポンプで四苦八苦したが、結局これが95%を超える活着率を誇る。ポンプは、泥を洗い流し、その上機械の故障やディーゼルの管理が面倒で、活着率は悪かった。確か梅本先生(ワーカーOB)が7年前、バケツが良いと言い出して、ていねいに樹を扱うようになり、コスト面でも最善、現在に至っている。2015年4月20日

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