前の報告へ | 報告トップへ | 次の報告へ

河道②の石張り堰の要図。全体を平皿状に作り、流水を中央に集める。下流端は流れを見て更に延長する。過度の掃流力を避けると共に、両岸砂州の洗掘を防ぐ。

平皿状の堰体構造は、山田堰(中舟通しと南舟通しとの間の堰体)でも見られる。辺縁を盛り上げた作りにすると、低水位時に水が逃げず、高水位 時には辺縁直下で掃流力が減殺され、下流側の堰体を保護する。越流線の高さを水門のレベルにして水平に湾曲した弧を描けば、流水が堰体の中央に集まる。両岸へかかる負荷も減る。なお、斜めに横断する堰幅は170mだが、越流線を複数に分割することで、「機能的な堰幅」は更に長い。驚くべきもの。2013年8月27日

山田堰の「機能的な越流幅」とはこういうことです。

洪水で最も弱いのが砂州と石張り堰の接合部である。特に河床材料が弱い砂州の下流端で問題が起きやすい。1)籠を幅広く埋設、2)接合部をできるだけ長くとり、堰下流端の形状を弓型に造成し、流水を中央に集める、3)砂州の平坦な低位置に揃え、溢水が幅広く起きるようにする。これまでの集大成だ。

弱い河床材料を大きな玉石で置き換え、巨礫を、埋め込むように張りつけていく。
2015年10月11日

弱い河床材料の場所は、普通洗掘が激しく、目で確認できる。不用意に堰を作ると、洗掘を促して砂州の形が変化、泥沼の改修工事となる。手間をかけても、必ず上記の処置を行い、万全を期する。2015年10月12日

河道②の処置、全体の俯瞰。砂州3下流側の弱い砂礫を大粒径の玉石や巨礫に置換し、巨礫を埋設して石張りにしていく。石張りの先端は約90m、幅25~50m、全体に平皿状で、河道②全体を覆う。低水位期には流水の全てが河道①へ向かい、増水すると河道②へ溢れはじめる。必要なら中心に土砂吐きを設ける。石張りの下流端は弧を描き、流水が中央に集まる。両砂州との接合部が洗掘されず、砂州と河道の形状を固定できる。2015年10月12日

土砂吐き(2)の床面造成。早ければ2週間以内にコンクリート打設を完了、養生して待つ。2015年10月11日

同土砂吐き(2)。壁面の鉄筋設置作業が始まっている。2015年10月12日

土砂吐き(1)も2日遅れて床面の造成が始まっている。浸透水の処理に手間取ったためだが、大きな遅れではない。2015年10月12日

前の報告へ | 報告トップへ | 次の報告へ