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クナール河の水位変動(マルワリード堰)。暑さが去り、現在安定した水位が続いている。間もなく低水位期に入り、河周りの改修工事が忙しくなる。今年は、カマ第二堰、ミラーン堰上流の分流処置、旧バルカシコート方面の一時的な渇水措置が大きな仕事。

連続堰、マルワリード側からの眺め。記録的な高水位を経ても、大きな破損なく、安定している。堰全体が半楕円を描き、河の中央に流れが集まっている。深掘れが進んでいたマルワリード堰下流側に砂利が堆積している。ほぼ理想的な変化。カシコート側の樹林帯が育っている。2015年10月20日

最も水量が多くて不安定だった河道②は、異常高水位にも耐え、破綻は見られない。川中島のヤナギが印象的。2006年の最後の植樹以来、約9年間残存し、小さな島を護っている。2015年10月20日

以下、ミラーン堰の柳枝工(砂州3と河道②を護る粗朶柵)の説明です。詳しくは別紙をご覧ください。単純な挿し木や粗朶沈床は、長い高水位期に水没すると共に、激しい流れと粗朶の浮力のために固定せず、活着しなかった。今回はふとん籠と組み合わせ、砂州表面の洗掘を防ごうとするもの。

粗朶(柳枝)は2m以上の長いものを用意、一昼夜以上を置かず、直ちに挿し木する。
2015年10月22日

砂州3側に敷設される籠と粗朶柵工。流方向に直角に敷いた籠の周辺に「コの字型」に列を作って植える。2015年10月22日

幹の太い柳枝を籠にしっかり結わえて固定し、細い枝を編み込むように重ねる。各柳枝の根方は0.6~1.0mを砂利の中に埋める。2015年10月22日

十分固定されたことを確認し、土砂で埋める。常に浸透水があるので、水やりは不要。2015年10月22日

河道②の石張り堰と砂州3の下流側を見る。砂州3全体が平皿状に窪んだ形をしており、高水位期に激しい流れが表面を洗い流した形跡がある。河道の固定と砂州の保護は一体で、切り離せない。2015年10月22日

ミラーン堰取水口付近のヤナギの状態。挿し木後6ヶ月。下段までよく活着したのは、クナール河上流の分流発生で、例年夏期の高水位が来なかったからだ。数日の水没では枯死しない。2015年10月22日

ミラーン堰の工事現場付近は子供たちの格好の遊び場所になっている。ただ遊ぶのではなく、燃料用の小枝や木切れを拾って家に持ち帰る。魚も捕れやすくなったので、人気の場所だ。家の手伝いをしながら遊び、肌で自然に触れる。日本で失われた教育現場。2015年10月22日

ミラーン護岸始点から上流側の現在。U1~U4の各水制間に膨大な土砂が堆積し、侵食はもはや起きない。国道は完全に保護された。2015年10月20日

床面打ちを終えた土砂吐き(2)。間もなく橋脚の造成が始まる。2015年10月22日

同土砂吐きの上流側。橋脚の鉄筋が高いのは、折り曲げてコンクリートに埋設し、将来高さが必要になった時に掘りだして使うため。2015年10月22日

同土砂吐き両翼の石張り。取水口床面より80㎝高いレベルで揃えてある。
2015年10月22日

来週の床面打ちに備える土砂吐き(1)。これが終わるとコンクリート構造物の建設は一段落する。2015年10月22日

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