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ミラーン堰の河道開通、11月下旬予定
ヒンズークシ山脈で地震
~都市部は大きな被害なく、山間部の情報なし~

アフガン時間13:40前後に、かなり激しい揺れがジャララバードで感ぜられました。

このところ山間部では雨が一週間ほど続いており、地盤が緩んでいます。以前に数万人の死者・行方不明という、大被害を出したバダクシャン(2002年・アフガニスタン)、コーヒスタン(2006年・パキスタン)の時とよく似ています。被害は増えていく可能性があります。

私たちが恐れるのは、「緑の大地計画」への影響です。もし数万、数十万の単位で被災者が発生し、都市部に避難民が押し寄せる場合です。おそらくまともな国際支援はできないでしょうから、かなりの混乱を覚悟せねばなりません。PMSとしては、アフガン政府の要請があっても、組織として動かず、個々人の善意に任せる方針でおります。

かつて平和であったヌーリスタンやダラエピーチも、外国軍の去った後は惨憺たる混乱状態で、見る影もありません。我々が近づくことさえできないでしょう。

もし何か問い合わせがあれば、「PMSの計画に今のところ影響なく、地震については現在情報待ち」とだけお伝え下さい。

河川工事は山を越えつつあります。最大の試練は第一河道の開通で、これで成否が分かります。11月末または12月初旬で勝負がつきます。

平成27年10月26日 記

土砂吐き(1)の作業中。10月26日までに、床うちを完了した。さすがに皆一息。
2015年10月26日

同部の橋脚部分。水門と同様の作りで取水門前の水位調整を図ろうというもの。但し冬季の渇水期のみで、夏季は開放。2015年10月26日

土砂吐き(2)。床面コンクリートの固まるのを待つ。2015年10月26日

橋脚部に合わせて、両脇の堰先端部を造成。巨礫を厚く敷き、洗掘を防ぐ。工事中は交通路として利用。2015年10月26日

河道掘削は約半分を終えた。石張りが終わると3台で一斉に取りかかる。
2015年10月26日

砂州3、河道②間の籠張りと柳枝工。2015年10月26日

河道②全体の石張り堰を右岸から見る。2015年10月26日

河道③Bのしめきり部。水制を置いた右岸ミラーン堤防に沿って深掘れ(河床低下)が起きているのが分かる。一般に、連続堤防や水制に沿う所で河床低下が著しい。主流を導くために、下向き水制やかすみ堤をわざと設置し、成功した例がある(ベスード護岸1700m地点)。砂利堆積と分流発生の形が同地点と非常に類似しているので、成功率は高いと思われる。2015年10月26日

上流、タンギトゥクチー堰対岸の分流発生部。全クナール河の水量の40~45%が左岸カシコート側に流れ、数年前までの河道を復活させている。作業地から約3.5㎞上流。河川敷が幅1㎞はあるので、防御は可能だが、とりあえず分流の拡大防止措置だけを行う予定。2015年10月26日

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