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砂吐きⅠから砂州1を見ると、手前に巨礫の石張りが見える。幅30~40mで、砂吐きⅠに連続して敷かれている。全面は交通のため砂利が敷いてあって見えないが、夏は砂利が洗い出されて姿を現す。堰の下縁は弧状に砂州につながり、砂州と堰を密着させている。

向きを変えて砂吐きⅠの下流を見よう。交通路の位置が分かる。もう一度戻って、向う側から眺めよう。

対岸の交通路から見ると、砂吐きⅠの下流側の様子がよく見える。

もう一度もどって砂吐きⅠと堰を渡り、砂州1に立って、水門側を見よう。砂州にはヤナギの群が10メートル間隔で千鳥に植えられていて、砂州の表面を保護する。先に紹介した「剣山粗朶柵」は、名前通り生け花からの着想だ。

砂州1の前縁は30メートルほどで、直ぐに二番目の堰に入る。堰の真ん中にあるのが砂吐きⅡで、コンクリート構造の幅27m、両翼各50mは低い位置の石張りで、洪水時に幅125mの流れが溢れるようになっている。つくりは砂吐きⅠと同じだが、6門。

さあ、砂吐きⅡを渡り、砂州2の前縁までやってきた。振り返って、これまでのルートを一望にしよう。

砂州2から河道②と、さっき通って立ち止まった、河道③B沿いの堤防を見よう。急流を下った河道③Bは、砂州3の中ほど辺りで緩やかになり、水量の半分が河道②へ注ぐ。河道②は幅120mで幅30~40mの石張り堰を越える。堰の中心に深い溝が掘ってあり、砂利を流すようになっている。ここは、敢えてコンクリートにしない。理由は、コンクリート構造物は、いったん不具合が生じても、容易に作り直せないからだ。水は人の手で完全に計算できない。自然の成す状態に応じ、自在に変更できるのが石張り堰の強みである。

河道②はもう渡れない。下流の方へ200mほど下って、堰全体を眺めてみよう。緩やかだが水量は豊富だ。

河道②の末端から砂州2の下流側に上がり、もう一度取水門の方を見よう。剣山粗朶柵が春になったら、どんなだろう。理論的には巨木に匹敵する抵抗力を発揮するが、それ以上に、美しい緑の島が目を和ますだろう。

以下、主幹水路の現在。水門から200m地点。

沈砂池は完成し、周辺の植樹を残すのみ。全体の公園化が図られている。少しくらい、楽しみがあっていいはず。

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