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凶作と戦火、避難民ジャララバードに集中
~懸案の排水路工事を開始、しめきり堤の仮工事を3月中に完了~

平成28年3月18日 記

クナール河沿いのPMS取水堰水位変動
各堰の改修、河道整備(ミラーン対岸)で、低水位期を切り抜けた。二月下旬から流域全体で増水を確認、3月17日現在、全て理想的に推移している。

作業の焦点はしめきり堤から排水路へ。いよいよ始められた排水路主幹の工事。諸事情から水中作業が絶対条件。机上のアイデアと批評ばかりで実がない技師たちを一喝、先ず水底の状態を調査し、実際に目で見て脚を水に浸けることを指示、働く作業員の感想を基礎にする。排水路は全長700m、落差3.1m(傾斜約1/220)の激流。両岸の土地を傷めないという厳しい条件で、土手の根固めが最大の課題になっている。重機で下手にやれば、洗掘で崩れる。先ずは手作業による浚渫を行う。10年以上働いた作業員は動ぜず、作業に挑む。休み明けに護岸方法を決定、本格作業が開始される。2016年3月17日

排水路の幅は様々で、柔らかい土質の場所が多い。その上、水路幅を広げない条件で、下手にやると両岸が崩落する。唯一の方法は、水路床中央にU字管を埋め込み、両岸の根方にかかる掃流力を減殺、その後に強靭な根固め工を行うことだ。この際、取り得る方法は何でも試す。U字管のモールドも、PMSで作成する。
800㎏の重量級を連結して効果を確認し、その上で最終案が決められる。連結式ブロックも有力候補で、様々な形とサイズを準備、この際、何でも試す。全てザミールグル率いるワークショップで制作される。

記念公園の春。新緑が現れると、間もなくバラやザクロなどが一斉に開花し、見事な庭園が出現する。これも全て手探りで得られた試行錯誤と、作業員と現場監督の汗と、そして無数の協力の結実なのだ。2016年3月17日

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