前の報告へ | 報告トップへ | 次の報告へ

マルワリード II、試験送水を1月下旬に決定
~記録的少雨、7ヵ月間ジャララバード、大混雑~

ジャララバードのラッシュ時間、ベスード橋の朝。ジャララバード近郊のベスード、カマ、シェイワ、ソルフロッドの各郡は、過去最高の人口稠密地帯になっている。300mの橋の通過に1時間かかることも稀ではない。2016年12月24日午前8時

マルワリード II・取水堰全景。対岸の山はダラエヌール。雪が少ないので高山に見えない。木枯らしが吹いて空気が澄み、空の色が水に映って鮮やかだ。2016年12月25日

部分可動堰を下流から見る。通過流量は毎秒40~60立米(推定)、厳冬期のクナール河流量(約100~200m)の4割前後を通す。測量で確認中。水しぶきの白さが爽快、現場を励ます。2016年12月24日

取水門前の様子。砂吐き直前の流速は1.5~2.0m/秒、みお筋が完全に移動した形となっている。2016年12月24日

堰平面形状の最終案。石張り面積;約8,000㎡、堰幅250m(砂吐きを加えて約280m)、堰長;30~40m、水面落差(低水位期);約1.5~1.8m、固定堰部分は湾曲斜め堰の形状をとり、河道洲前縁(砂利堆積線)をたどる。対岸は幅広く(約70m)石張りを施し、洗掘を防ぐ。

巨礫敷設の工事風景。運転手が習熟していて、作業も早くなっている。巨礫がやや角ばったものしか入手できないので、少し大きめのものを大量に埋設し、いつもより広く傾斜を覆う。2016年12月24日

>

対岸側を望む。日本では両岸からの工事が常識だが、ここでは違う。今回はシェイワ側の協力を得て、念願の両岸工事となった。カマ堰、カシコート堰に次いで3度目。成功率は当然高い。2016年12月24日

中央にある「河道洲の島X」。河床材料を示す。河道洲は6年前(2010年)の大洪水の遺物と見られ、今回はこれを利用。大洪水後の地形は変化しにくいからだ。2016年12月24日

対岸の工事風景。こちらはダラエヌールから運ぶ理想的な巨礫。2016年12月24日

取水門の現在。主力は用水路の橋、沈砂池の水門建設に集中している。水門上部は水を通しながら春までに仕上げればよい。2016年12月25日

取水門下流側を片づけ、建設中の主幹水路とつなぐ。2016年12月25日

主幹水路も異例の速さで進行中。事務方から一作業員に至るまで、作業工程を充分のみこんでいるためだ。今回は石材が手近にあることも重なって、相乗効果となっている。用水路の作業員の半分以上がカチャラ村など近くの居住者。実は、これが私たちの言う「技術訓練」ですが、なかなか分かってもらえません。とうとう「訓練学校」を作る話までになって辟易しています。特別なことでなく、実戦部隊養成とは、現場で働いて戦力を身につけることなのです。2016年12月25日

農民は石積みに長けていて、誰でも優秀な石工になりえる。人間は大地で働くアリだ。アリが大地から離れてはダメだ。2016年12月24日

定番となった用水路隅のソイルセメント充填。流速を早め、用水路内の土砂堆積を防ぐ。最初にマルワリード用水路F・G地区で試され、現在に引き継がれている。年月が経つと背面にヤナギの根が張りつく。現在まで壊れた例はない。セメントの配合から施工まで、作業員が習熟。2016年12月24日

建設中の橋(第2)。用水路870m地点。橋の下流側から沈砂池が始まる。2016年12月24日

沈砂池の造成が始まっている。沈砂池終点が935m地点に相当する。沈砂池ができると、カチャラ村・コーティ村の安定灌漑が成り、洪水に怯える不安定な取水から解放される。ミラーン堰と同様、取水が洪水浸入を招き、土地が年々荒れてきたためだ。進入路を潰し、耕地の復活も一挙に進められる。2016年12月24日

橋(第1)は完成し、いつでも通行が可能。用水路250m地点。水門の近くには架橋しない。自動車やダンプカーの通行で作業が妨げられるためだ。また、物見遊山のマイカーと、マナーの悪い外来者の侵入を避ける。地元の村人は散らかさない。2016年12月24日

前の報告へ | 報告トップへ | 次の報告へ