用水路への期待は想像以上です
灌漑用水路計画担当
伊藤和也
ペシャワール会報80号より
(2004年07月07日)
一部通水した用水路 用水路の両岸にはまだ少しだけですが柳の緑が見えます
50度の猛暑
暑い。現在私は、水路事業の一員としてカナル(灌漑用水路)の現場で働いていますが、朝7時を過ぎると暑さが本格化してくるように感じます。ただ、最初はうわー暑いなと思っていたのも、最近は今日も暑いなーと漠然と感じるだけ。温度計もないので、周りの人が今日は40℃、50℃だったといってもいまいち実感がありません。

そのような中カナルの現場で仕事が進められているのですが、皆様もご存知の通りD地区(貯水池)までの通水が無事終わり、現在はD地区以降Q地区まで通水(Q地区迄通水すれば農地に灌漑可能)を目標とし中村医師を始め、先輩ワーカーである鈴木学さん、日本から再び来られた石橋さん、新たに来られた鬼木さん、進藤さん、現地職員、現地レイバー(作業員)と共に仕事をしています。

悪化する政情予想し作業は急ピッチ
水道橋の建設現場(左下より鈴木学、鬼木、川口ワーカ)
現在の灌漑用水路の進行状況は、D、E地区の掘削、P、Q地区のフィリング(埋立て)、そして自分が今取得を目標としているコンクリート構造物の作成が主な仕事になっています。

E地区の掘削は現在レイバーによる手掘りでやっていますが、D地区の掘削、P、Qのフィリングに関しては冬のとき以上の重機(合計ダンプ28台、エクスカベーター8台、ローダー5台)を投入し、急ピッチで作業が進められています。その理由として8月の自衛隊派遣(実際はどうか分かりませんが)、9月の選挙があるからです。

中村先生がおっしゃるには政治情勢は急激に変化するとのことです。ですから9月に情勢変化が起る可能性が高いのではという事があり、急ぐ必要があるのです。9月までになんとかQ地区までの通水を可能にするために、自分自身が出来ることを全力でやっていきたいと思います。

レイバー(作業員)の子供たち
子供たちも期待
実際現場で仕事をしていて感じるのですが、地元住民の、用水路に対する期待が非常に大きいことを感じます。地元住民の多くはレイバーとして働きに来ているのですが、ここにはいつ水が来るんだと毎日のように聞かれた時期もあり、また測量するときレベル(水準点)をペンキでマークをつけていくのですが、マークを踏みそうな子供に「ここのマークが消えると水が来ないぞ」と言うと慌てて足を引っ込めたりと、小さい子まで水が来るのを待っているんだなと思います。
現在このような環境で自分が仕事を出来るのも皆様のご厚意のおかげです。この場を借りてお礼を申し上げたいと思います。