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カシコート、主幹水路掘削を完了
護岸線を更に延長

カシコートは工事区間が次第に長くなり、見回りは青息吐息です。お陰で脚は丈夫になりましたが、体力との勝負になってきました。今年は例年よりマシだと思っていたところ、所詮たかが知れた人の知恵、自然は次々と難題を突きつけます。
水門から上流の洪水流入部は幅広く、護岸区間は、上流側1,125mまで伸びました。

これは、低水位で河床が見えるようになって、危険個所の処置を変更せざるを得なくなったからです。まるで八岐大蛇(やまたのおろち)を相手にしているようです。でも、ここは真剣勝負、やらなければ、やられます。詳細は落ち着いてから報告します。

作業範囲は、全体で3㎞に及び、物量の上でカマやベスードをしのぐ大規模工事となりました。手持ちの時間はあと一ヶ月ありません。河とのにらみ合いが続きます。少なくなった手持ちの重機をフル回転させ、努力が続いています。
続々と帰還する村人の笑顔を見れば、やはり、ひと踏ん張りです。

机に向かうのが億劫になり、現場の夢ばかり見ます。こんな緊張は長くは続かないので、3月中旬まで一気呵成に区切りをつけ、職員を少し休ませようと考えています。

平成25年2月22日 記

カシコート・サルバンド村の一面の小麦畑。昨年は真横にクナール河主流が侵入、人々は逃げていた。主幹水路約1㎞地点
2013年2月19日

上の写真の真横では主幹水路下段の蛇籠工が進められている。一年前、河の主流だった所。皆に尋くと、「ホントに河があったか、ピンと来ない」という。
(報告書2012年3月16日の4頁と同じ場所です。比較してみて下さい)
2013年2月19日

道路横断暗渠は上部施工を残すのみ。来週から沈砂池(調節池)の造成が始まる
2013年2月20日

1750m地点に達したライニングの準備と掘削。湿地で手間どったが、予定水路底の基礎幅10m、深さ1m、ぬかるみの泥を大量の砂利層に置き換え、やっと落着させた
2013年2月21日

カシコート取水門より上流側の洪水進入地点は幅広く、約300m以上。洪水で堆積した砂利で堰き上がり、年々更に河床を高くしていた
2013年2月21日

進む築堤。取水門から上流約750m地点。
水面から予定の高さ5m、かつ河道を深く広げながら進むので、計算上は2010年の大洪水なら防げる。それ以上でも、わずかな越流を許すだけなら、被害は少ないはずだ。完全に洪水を防ぐ手はないが、せめて損害を軽くすることができる。

堤防ができ上がるごとに、帰還農民が畑地を作り始める。畑地はよく整備されていて、排水路を必ず設けるので、タプー堰と同様、堤防裏法のドレーン工(報告書2012年2月4日11頁参照)も兼ねてくれる
2013年2月20日

自然の斜め堰のような場所を幅約70mで切り崩す。この掘削が水門部上流から延々と続き、つながって一続きの河道を形成するという計画
2013年2月20日

河道5側から取水門右翼側を見る。(報告書2012年12月7日8頁を参照して下さい)
2013年2月20日

同下流側の堤防壁。下段は巨礫で掩蔽して植樹する
2013年2月20日

復旧中洲(堰体)、最後の測量。最終仕上げは今年の12月を予定。理由はひと夏を越した状態でなければ、正確な変化を予測できないからだ。マルワリード堰との接合部が大きな課題。河道3を人工的に作り、河道2を浅くして、一挙にマルワリード側の処置をも行える。しばらく休戦だ
2013年2月20日

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