2002年度の農業事業報告
ペシャワール会現地代表・PMS(ペシャワール会医療サービス)総院長
中村 哲
ペシャワール会報76号より
(2003年07月09日)
ダラエ・ヌールの試験農場に実った麦
詳細は今後の農業担当者の報告に譲るが、2002年度の最大の成果は飼料生産に灯りが見えたことである。麻薬に代る換金作物で、茶の栽培の試みが粘り強く継続されている。試験農場(ダラエ・ヌール、約8,000m2)では以下が行われた。

1. 畜産
ソルゴー、トウモロコシらのサイレージ技術の導入が、初めてダラエ・ヌール渓谷で行われた。これによって、搾乳量が50%増加したとの報告があった。アルファルファの優良種と原種(シャフタル)との比較など地味な取組みが進んでいる。
乳牛の優良種導入は、飼料生産の目途がつき、配布態勢を整えてからでないと拙速になると考えられ、予定の50頭導入を見送った。

2. 小麦、トウモロコシ
品種による収量比較の研究が試験農場で行われた。

3. 麻薬に代る換金作物
アフガニスタンの緑茶の膨大な消費量から、有望と見て試行錯誤が続けられている。

農業関係職員:5名(うち日本人2名)