農業事業
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農業事業

農業事業は、緑の大地計画(2002年1月発表)に基づき、今まで継続してきた医療事業と灌漑事業に加えて始まりました。

緑の大地計画について

実際の食糧増産モデルを目指して大掛かりな開墾を進め、穀類、芋、野菜、果樹、養蜂、畜産など多角的な試みを行う、2002年から始まった計画です Read more»

試験農場

2002年、自給自足が可能な農村の回復のために地元住民の協力を得てダラエ・ヌール渓谷に試験農場を開設しました。2009年より農業事業と水路事業を一体化し、穀類・柑橘類・果物・野菜・豆類・オリーブ等の他、畜産、乳製品も生産、オレンジ園やオリーブ園も新たに造成。2016年、アフガン政府との協約で、開墾地235haを農地として半永久的に借用する契約が締結、契約は20年毎に更新されPMSの解散がない限り継続されます。
試験農場で収穫したサツマ芋試験農場で収穫したスイカ
試験農場で収穫したサツマ芋・スイカ


ワーカーの記録

追悼 伊藤和也くん
追悼 現地ワーカー伊藤和也さん»
アフガンで教えられた農業の重み
ワーカー高橋 修»
*毎日農業記録賞地区入賞作品
魅力あるパイロットファームを目指す
ワーカー高橋 修»
*ペシャワール会報73号より

農業事業の歩み

2002年

「自給自足が可能な農村」の回復のために地元住民の協力を得て、ダラエ・ヌール渓谷に試験農場を開設しました。
2月22日 アフガニスタン東部における長期的農村復興「緑の大地・15ヶ年計画」を発表しました。カーブルに女性(寡婦)の自立支援のための裁縫ワークショップを開設しました(その後、6月に閉鎖しました)。
9月15日 ブディアライ村試験農場において初の収穫祭が行われました。*この年会員が10,000名を突破しました。2002年事業報告書はこちら»
2003年

用水路の工事でワーカーが駆り出される中、土壌や品種について研究と実施を地道に繰り返します。2003年事業報告書はこちら»
2004年

試験農場をダラエヌール渓谷上流の村まで拡大しました。2004年事業報告書はこちら»
2005年

ミネラルなどの栄養価の非常に豊富なアルファルファ(飼料作物)やサツマイモを普及し始め、試験農場を拡大することにより茶の栽培にも希望が見え始めました。2005年事業報告書はこちら»
2006年

サツマイモや米が自立定着村で大々的に展開され、普及する段階に入りました。2006年事業報告書はこちら»
2007年

5年を経て初めて、お茶の小規模な「出荷」を行いました。2007年事業報告書はこちら»
2008年

11月 分水路がガンベリ沙漠手前のシギ村の一部を潤し始めました。自立定着村を守る砂防林の植樹が開始されました。食糧生産の向上を本格的に実現するため、農業事業と水路事業を一体化させる準備に入りました。2008年事業報告書はこちら»
2009年

ダラエ・ヌールが再び渇水に陥ったため、開墾を進めているガンベリ沙漠に試験農場を移す準備を開始しました。
自立定着村(=新 試験農場)について

水路事業に携った農民や職員が、自活しながらその経験を活かし、 長い年月を要する用水路の維持・管理を世代から世代へと繋げていく計画です。 計画内容は、会報特別号 "ここにこそ動かぬ平和がある"»をご覧ください。 2002年4月からモデル地区としてダラエヌール渓谷の診療所近くに 試験農場(=パイロットファーム)を置きました。 マルワリード用水路が最終地のガンベリに到達すると同時に開墾を始め試験農場を移します。 約200ヘクタールの農園になる予定です。

8月3日 マルワリード用水路24.3km、最終地点ガンベリー沙漠に通水を開始しました。試験農場をダラエヌール渓谷からガンベリ砂漠へ移し、約180ヘクタールを確保し、ガンベリ砂漠の農地開拓が始まりました。
8月末・9月中旬 東部アフガニスタンで広範な地域が突然の集中豪雨に見舞われました。新設したガンベリ砂漠横断水路は砂で埋まり、数カ所で溢水、土手崩壊の危機にさらされました(中村医師の報告"この26年で最大規模の仕上げ作業"»を読む)。年数をかけてモデル農場を確実に実現すべく、少しずつ農地を拡大しています。灌漑工事と農作業は共同で進めなければならない不可分な事業であり、開墾と水路網の整備を主体としながら引き続き観察していきます。2009年事業報告書はこちら»
2011年

4月 ジャララバードで小麦価格が急落しました。(カマ地区の小麦豊作が確実となったため)
6月 ガンベリ沙漠の砂嵐により試験農場開墾地30ヘクタールが壊滅しました。防砂・防風の植樹を急ぎます。
8月 シギ村農家の大移動―宅地を耕作地にするためガンベリ沙漠南西部の無人地帯に移動しました。
2012年

3月 ガンベリ試験農場にオリーブを植樹しました (灌漑農業省共同事業)。
5月 ガンベリ沙漠開拓で食糧増産「PMS自給体制」 ―今年度から5ヵ年計画でPMSの完全自給を目指します。経済省調査団がPMS事業を視察し高評価を得ました。
10月 総植樹数が70万本を突破しました。
11月 揚水水車1号機設置(シェイワ郡クナデイ村・マルワリード用水路N区)直径4m、揚水高3,2m、1日揚水量1,500トン、灌漑面積16ヘクタール。
12月 揚水水車2号機設置(シェイワ郡カンレイ村・マルワリード用水路E区)直径6m、揚水高5,2m、1日揚水量1,500トン、灌漑面積36ヘクタール
2014年

2月 総植樹数80万本を突破しました。
4月 ガンベリ試験農場にて小規模な畜産を開始しました (乳牛5頭、仔牛5頭)。
12月 ガンベリ農場における記念塔が完成しました。PMSガンベリ支所とし、農業班・灌漑班を置き、開拓事業 (農業)=自立体制を本格化させます。ガンベリ沙漠開墾地で栽培したサトウキビで黒砂糖の生産に成功しました (黒砂糖の復活)。
2015年

3月 新シギ堰が竣工し、シギ全域で小麦の大豊作。
27日、28日 ドゥラニ アフガニスタン農村復興開発大臣、アセイ上級補佐官、在アフガニスタン日本大使館より高橋特命全権大使がマルワリード用水路のモデルとなった山田堰 (福岡県朝倉市)を訪問。
7月 ガンベリ記念公園広場 100m四方、1ヘクタールの芝生で中央に噴水が完成しました。
13日 在アフガニスタン日本大使、アフガニスタン中央政府の農業大臣、農村復興開発大臣、国連食糧農業機関 (FAO)所長らがPMSガンベリ農場を視察しました。
2016年

2月20日 ガンベリ砂漠開墾地(PMS農場)において約230ヘクタールの20年貸与契約を締結しました。ナツメヤシ試験栽培を開始しました。
4月17日 在アフガニスタン日本大使館による、対アフガニスタン国、草の根無償金協力の被供与団体として、PMSはガンベリ農場にてナツメヤシ園起工式を執り行いました。
10月末 ガンベリ農場にてオレンジの初収穫が実現しました。
2017年

3月 ガンベリ農場にナツメヤシ464本の植樹を完了しました(日本大使館共同事業)。総植樹数90万本を突破しました。
11月 PMS職員4名が研修のために来日しました。アジュマル技師(PMS農業事業責任者)は専門家より少水量で確実に活着させる畝の作り方や植物を使った害虫対策法等の研修を受けました。
2018年

11月 本邦招聘にてアジュマル技師(PMS農業事業責任者)が前年の研修後実践したことを報告し、専門家より改善策、助言を頂きました。
2019年

2月 PMSガンベリ農場にフェンス建設。
3月 総植樹数100万本を突破しました(内訳:ヤナギ約63万本、ガズ約14万本、ユーカリ約13万本、その他10万本)。
4月 ガンベリ農場にて養蜂事業開始。